2017/01/05

必然と必要条件


宇宙にも、人間世界にも、それこそ数えきれないほどの命題がある。
では。
宇宙の全ての命題は、一つの大命題に複合されうるだろうか?
あるいは逆に、宇宙すべての命題を通約する根本要素(素粒子など)はありうるだろうか?

ちょっと試みに、以下に4つの命題をおいてみた。
① 宇宙の万物には何らかのエネルギーと力がある。
② すべての物質は常に何らかの化学変化する。
③ 株価と通貨価値が技術開発力を決定する。
④ 万民が共通の法規範を追求する。

これらのうち、とりあえず①と②はそれぞれ、必然命題としてもよさそうだ。
ならば、①と②は(周期の長短はともかくも)何らかの同期をとっており、だから全宇宙を統合した命題に複合も出来ようし、逆に素粒子などの根元要素に還元も出来よう。
だが③と④の(いわば社会科の)命題は何らかの必要条件としては成立するとしても、十分条件を満たした命題ではない。
さて。
①と②の必然命題の要素であるエネルギーや物質が、地震や津波や火山爆発や太陽の黒点や宇宙線や放射線の脅威をもたらし続けている、が、これらをだな、③と④の命題の要素である株価と通貨価値と法規範が解決済み、もしくは解決予定が立っているだろうか?

諸命題の必然と必要条件を混乱させている犯人は、だ。
まず一神教と、もうひとつは数学ではないか。
たしかに、一神教と数学は、きわめて整合的な論理系、だから何もかも描写し説明する媒体となり、どんな人間の腹にもおさまってしまう。
しかしまた一神教と数学は同時に、①と②という必然命題と、③と④というただの必要条件を、「超然的に外部からひっくるめて巨大な必然に統合してしまう」 こともあるのではないか?
現にそうやって一神教と数学を悪用している大嘘つきたちが、「カネという必要条件さえ捻出すれば、人類みな健康で文化的な生活を送れるという必然命題が成立する」 などと、おかしな思想洗脳を継続中なのではないか。
(逆から攻めるのがピケティなどを初めとする絶望論かもしれぬ。)

いや、思想洗脳ではなくて、①②③④トータルで本当に必然命題として成立するかもしれないならば、必然命題であることを一神教と数学「以外」の手段で立証してほしいもの。

それが出来ぬのなら、いっそ、①②③④の全てはバラバラな偶然の思いつきの命題であったと白状したらどうか。
こっちこそが真理かもしれないよ。


…といったところから、本年もスタートでしょ、みなさん。

以上